坂上 義人

2019/08/17 20:09・

■アーサー・C・クラークの代表作の一つ。徹底的な科学考証が魅力の本作■
SF文学と言うと、とかくマンガと同じようなストーリーを単に文章にしただけ、と言う印象が持たれがちですが、本作品はそうではなく徹底的な科学考証を基に書かれた人類のファースト・コンタクトを題材にした、非常に魅力的なSF小説の一つです。
話が脱線しますが、アーサー・C・クラークは亡くなるまで「相対性理論がある限り光速を突破するのは不可能だから、フィクションであっても『スタートレック』のような超光速航法を安易に作品に取り入れる手法は好ましくない」と発言していて、科学考証に対しては人一倍つよい拘りを持っていました。
大昔のE・R・バローズのSF小説とかは、現在の「少年ジャンプ」に掲載されているようなSFマンガと内容的に大差ありませんでしたが(むしろ「少年ジャンプ」のSFマンガの方がE・R・バローズのSF小説よりも科学考証がしっかりしていると思う...笑)、アーサー・C・クラークはそんな幼稚な内容の小説が多かったSFを文学のレベルにまで引き上げた一人であり、そんな巨匠が書いた作品ですから面白くないわけがありません。
ただ唯一、この作品の難点をあげれば、あまりにも有名な作品の為に、いろんな所でネタバレがされている事です。
こう言う小説にとっては、ネタバレが一番いけない事なんですけどねぇ(汗)
できれば、そういう情報を遮って本書を読んで欲しいです。

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