坂上 義人

2019/08/16 18:22・

■前作とは打って変わって、零戦のパイロットが何をしてきたかを主軸して書かれた本書。前作「大空のサムライ」では書かれなかった内容を本書は補完しています■
零戦と言う戦闘機は既に歴史の1ページになっていて、旧日本海軍の最後の栄光とそして挫折を一身に背負った戦闘機だと私は思っています。
もちろん技術論的な観点から零戦を含めた、当時の戦争について解説している歴史書もありますが、本書はそんな無機質な歴史書ではなく、生き生きとした文体で書かれている為に非常に読みやすく、当時の零戦パイロット(※当時はパイロットではなく「搭乗員」と読んだ)の苦悩が本書を通して、ひしひしと伝わってきます。
著者の坂井三郎氏は単にトップクラスのエースパイロットではとどまらず、空戦で一機の僚機(欲部下や上官が乗った軍用機の事)も失った事がないと言う、輝かしい経歴の持ち主で、アメリカでも戦史に詳しい人の間では、ちょっとした人気があります。
本書では日米開戦時に日本の快進撃を支えた零戦が、どういう活躍をしたのか、それをエースパイロットである著者が分かりやすく解説しています。
それと開戦当初、零戦よりも性能的に劣る戦闘機(P-39、P-40初期型、F2F)や爆撃機(B-17初期型)で零戦に立ち向かわざる得なかった、米軍パイロットへの勇敢さに対する賛辞も本書では忘れていません。
前作を読んで感動した人なら、本書を買って読んでも決して損をしないでしょう。

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